MBTIとかいう性格診断について

最近、周りの友だちとかがこの性格診断をよくやるようになった。世間的にも流行っているらしい。

 

自分も最初はお試し気分でやってみて、それなりに楽しかったけど、後々になってなんか悲しくなってきた。これで大真面目に性格とか相性とか議論してる人たちが想像を超えて沢山いることに気がついたからだ。

 

この流行は二つの面で悲しい。一つは若者の知的劣化を、もう一つは若者の情操的劣化を反映していると思うからだ。

 

まず、普通に考えてこの手の性格診断は眉唾物だと思う。「私は〇〇という性格です」というアンケートに答えると「あなたは〇〇という性格です」という答えが返ってくる。当たり前だ。「すごい!当たってる!」という反応が多くて驚愕する。現代人、もしかして本当に馬鹿なのか?

 

大体、人間の性格は〇〇タイプみたいに分類して理解するものでもない。人間は矛盾の塊だ。普段優しい人が、時には物凄く冷酷な一面を見せたりすることがある。いつもクールで近づきがたい感じの人が、実はあることに物凄い情熱を注いでいたりする。人間は総合的だし多様な側面を持ってるし、それは〇〇タイプみたいに割り切れるものではないと思う。それに、人間は時間と共に変わっていくものだし、変わっていけるものだ。

 

〇〇タイプみたいなスティグマがないと人間を理解できない人たちが多いのは悲しい。普段小説とか伝記とか読まないのだろうか。想像力の貧困を感じる。性格診断に頼らずに、人間の複雑さ・多様さに向き合うことが難しくなっているのかもしれない。危うい社会だと思う。悲しい。